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ATAカード導入によるHDDの大容量化はとっくに完了していたが、最近は仕事にもPM7300を多用するようになり、データをバックアップするためのHDDの確保が急務となった。しかしあいにくドライブベイは、メインのIBMのIC35LO40AVVA07(ATA・40GB、当初増設したDTLA-307030は電源端子破損によりリタイヤ)と、メンテ&緊急起動用のDCAS-34330(SCSI・4GB、PM9500からの移設品)で、すでに満室である。となると一番手軽なのはUSBの外付けHDDだが、邪魔だし、そもそも外付け機器があまり好きではない。それじゃSCSIのHDDをはずしてATAをもう1台といきたいところだが、トラブル時には内蔵SCSIからの起動が最短距離なので、これは絶対に残しておきたい。PCIスロットの手前あたりに3台目のHDDを無理矢理取り付けている人もいるようだが、手元に適当なパーツも見あたらないし電気容量の圧迫が気になる。SCSIの大容量HDD増設はあまりに高価で、これは問題外である(僕の改造ポリシーに反する)。 |
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手に入れた中古のIDE-SCSI変換カードには「Buffalo」のロゴと「SCION9-CA」という品番がプリントされていた。いろいろ調べてみると、どうやらメルコの外付けHDD用のパーツらしい。メルコ社が"SDATテクノロジ"をうたい文句にATA用HDDを使った安価で大容量の外付けSCSI
HDDを売りだしたのが7〜8年前のことで(僕はそんな外付けHDDが存在することすら知らなかったのだが)、当時すでにパソコンをいじっていた人にはお馴染みの商品のようだ。そのパーツだけがバルク品やアウトレット品として世に出たもののようである。![]() |
![]() SCSI IDの設定については、基盤にプリントされたジャンパの設定表を参照。すでにメインのHDDがID=2、DVD-ROMドライブがID=0に設定されているので、重複しないようID=1(3番のジャンパをショート)にした。SCSIとATAはバスが違うからID重複しても大丈夫という説もあるが、ID重複のためにHDDが認識されなかったり、OSX起動できなかったりというトラブルを何度となく経験しているので、ここだけは慎重である。 ![]()
![]() HDD側のジャンパをどうすればよいのかがよくわからなかったが、とりあえずシングル設定で。ターミネートはON(9番のジャンパをショート)に。カードのIDEケーブルにHDDをつなぎ、SCSIコネクタにロジックボードのFAST SCSIケーブルをつなぎ、電源をつないで、メインHDDのOS9.1から起動する。 ・・・デスクトップに新しいHDDのアイコンが登場。問題なく認識されたようだ。ホッとひと安心である。 ![]() |
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次にメンテ&緊急起動用のOS9.1をインストールする。初期化、パーティション設定しようとドライブ設定を開き、ディスクを選ぶと・・・。 |
このカードの素性がもう少しわからないものかとネットをうろうろしていたら、同様のカードをPM7600に導入した例を紹介した「Macintohk」というサイトを見つけた。いままで知らなかったのだが、ColorClassicIIをはじめいろんなOld
Macの改造が紹介されていておもしろい。ここにドライブ設定にパッチを当てて初期化できるようにする方法が掲載されていた。へえ、そんなことができるんだ。世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあるのだな、と感心しつつ、もちろん試してみる。 (1)「ドライブ設定」ファイルのコピーをResEditで開く。 (2)「fSCR」を開く。 (3) 「QUANTUM*」「IBM*」などメーカー名のみのIDを選んで「Edit」メニューの「Duplicate」を選ぶ。 (4)新しくできたID(128だった)を選んで「Resource」メニューの「Get Resource Info」を選ぶ。 (5)Nameの欄を「*」に書き換える。 (6)保存して閉じる。 ![]() 「Macintohk」ではNameを「SDAT_HD*」と書き換えるようになっているが、他の関連サイトを見ると「*」に書き換えている例もある。両方試してみたところ、どちらも初期化OKだった。「*」にすれば、かなり多くのサポート外HDDに対応できるようなので、今度機会があれば他のHDDでも試してみようと思う。 |
動作が確認できたら、次はおきまりのベンチマークだ。 今回は転送速度についてはあまり期待していないしあえて確認する必要もなかったのだが、やっておかないとどうも落ち着かないので(笑)念のため。上が変換カード経由のQuantum Fireball Plus KA(ATA66)、下がいままで使っていたDCAS-34330(SCSI)。若干数値が上がったと同時に、読み書きがかなり安定したようだ。スペック的にはたぶん20MB/secで間違いないと思うのだが、FAST SCSIの仕様が10MB/secだからこんなものなのだろうか? ここから先は勉強不足でイマイチよくわからないし、まあ悪い方向へはいっていないようなのでホッとしつつ次の作業へ。 ![]() |
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余談だが、設置に入る前に複数台接続を試してみたので、ついでに報告を。少し面倒だったが、基盤に直づけされているケーブルをはずして手持ちのATA33ケーブルを接続。IC35LO40AVVA07をスレイブ側につないでみた。 |
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あとは本体に設置して完了・・・といくはずだったのだが、付属の金属製マウンタをHDDにビス留めしてみると何だかヘンだ。 金属製マウンタのビス穴が妙なところに切ってあるため、ビス留めすると基盤とHDDの面があわない。前後がずいぶん長くなってしまい、ドライブベイに収まらないのだ。どうしてこんな設計になっているのか検討がつかないが、どうしようもないのでビス留めはあきらめて、適当な位置に両面テープで固定することにした。少しわかりにくいが、左が定位置にビス留め、右が両面テープ留めの写真である。 ![]() ![]() |
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![]() ![]() 次に困ったのは高さの問題。付属の金属製マウンタがやたらと高く(20mmもある!)、HDDと純正の樹脂製マウンタをあわせたらとんでもない厚さになってしまった。かなり窮屈になるとは思っていたが、まさかドライブベイに入らないとは。仕方なく純正の樹脂製マウンタをあきらめ、シャシーへの固定も両面テープで済ませることにした。 ![]() |
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高さは右に少し見えるDVD-ROMドライブとほとんど変わらず、ドライブベイに一杯一杯である。固定には手元にあったScotchの超強力両面テープ(一般材料用)を使用。はがせなくらならいよう手前だけを点留めしてある。 |
何とか筐体に収まったものの、HDDの上にはほとんど空間がない。改造をはじめて2度目の夏がまもなくやってくるということもあり、HDDの発熱はかなり心配である。さらに悪いことにこのHDD自体がかなり発熱のある製品だったようで、1時間ほど動かした状態で触ってみたら「アツッッ!」と声が出るほど"チンチン"になっていた。 ということで、おきまりの冷却ファンの登場である。 不幸中の幸いというべきか、無駄に背の高いこの金属製マウントには、おあつらえ向きの取り付けスペースがある。部屋の片隅にあるジャンク箱をあさってみたところ、以前、PowerLogixのG4カードの熱対策用に買ってみたものの全く使いものにならなかったファン付ヒートシンクが出てきたので、この6cmファンをあわせてみたらジャストサイズ。固定はここでもまた両面テープを使用し、なかなかいい感じに仕上がった。効果もバッチリだ。 |
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今回の作業で何が改善されたかというと、ただ内蔵SCSI HDDの容量がちょっとばかり増えただけである。しかしながら当初の目的だったバックアップ用HDDの確保ができたことより、むしろ工作が楽しかったという印象の方が強く、改造を楽しむという点では◎であった。いつものこととはいえ、最後まで読んでくださった方、またまた役に立たない内容で申し訳ないデス。 |
【2003.6.30】 |
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