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物事が重なるときは重なるもので、Voodoo4を入手したのとほぼ同時期に、PowerLogixのPowerForce G4 450/225がオークションに出品されているのを見つけた。
「G3化する」で紹介したG3 400/200がいたく気に入っていたことから、PowerLogixの製品にかなりよい印象を持っていた僕は、このオークションを終了まで見守ることにした。商品説明にはやはり480MHz、495MHzでの起動実績が書かれており、クロックアップ耐性も高そうだ。

しかしPowerLogixの商品はあまり知られていないのか、それとも僕の知らないところで悪評でもあるのか、意外に入札価格がのびていかない。
終了間際になっても25500円だったので、26000円で入札してみたら、あっさりと落札されてしまった。


落札から連絡〜入金〜商品到着まで45時間20分という最短記録で取引は完了。
取引相手の対応さえよければ、オークションは下手な通信販売よりずっとスムーズだ。


梱包を開けると、 見た目も大きさもほとんどG3 400/200と変わらないカードが入っている。ただしこちらには、HDD用電源から分岐して使用する冷却ファンが標準でついている。
早速マシンを開いて、G3カードと入れ替え、最初はデフォルトの50MHzx9倍=450MHzで起動する。

起動しない。

しかしすでにG3化で自信をつけた僕は、そんなことでは動じない。とりあえず再起動し、機能拡張をOFFにする。

やはり起動しない。

おいおい、またですか?
いまは快適に動いているのですっかり忘れていたが、PowerLogixのカードにはこれがあったのだった。
"起動不良の原因追及" ああ、めんどくさい。

PowerLogix G4

G3の時と同様、ヒートシンクの接触が原因なら話は簡単だが、 ヒートシンクをはずしてみると、前回とは違いシリコングリスがべったりと塗られている。もう一度塗り直してヒートシンクをしっかりはめてみるが、やはり起動できない。原因は別にありそうだ。

PCIカードの相性ということもあるので、まずはこれらをはずすがダメ。
OS8.6で試してみるがこれもダメ。
XLR8の機能拡張をはずして、添付のPowerLogix機能拡張(G3G4CacheProfiler1.4)と、ダウンロードした1.5も入れるがそれぞれダメ。
OS9.1と8.6をそれぞれ新規インストールしてみる。これもダメ。
もちろんマザーボードのリセットスイッチは何度も押したが、変化なし。

46.7MHzx9倍=420MHzは起動するので、カードの故障ではない。
時間は深夜3時を回り、いい加減いやになってきたのであきらめて寝ることにしたが、電源を落とした後、ふと思い立って52.5MHzx9倍=473MHzで起動してみた。すると、何と起動するではないか。

スイッチ
123
000
100
010
110
001
101
011
111
4567
40
42.5
45
46.6
50
52.5
55
60
1010
x4
160
170
180
187
200
210
220
240
0111
x4.5
180
191
202
210
225
236
247
270
1011
x5
200
212
225
233
250
262
275
300
1001
x5.5
220
233
247
257
275
288
302
330
1101
x6
240
255
270
280
300
315
330
360
0101
x6.5
260
276
292
303
325
341
357
390
0010
x7
280
297
315
327
350
367
385
420
0001
x7.5
300
318
337
350
375
393
412
450
1100
x8
320
340
360
373
400
420
440
480
0000
x9
360
383
405
420
450
473
495
540
※ディップ設定は基本的にG3と共通。10倍設定はなくかわりに9倍設定がある。

試しに495MHzと540MHzもやってみたが、これは起動せず。
バスクロックが50MHzだとダメで、52.5MHzだとOKという不可解な状態のまま、原因追及は翌朝に持ち越された。

朝起きると、出品者からメールが届いていた。
「メモリが原因かもしれません」

そうだ、混乱してすっかり忘れていた基本中の基本。メモリを8本差して、インターリーブもきいたままでテストをしていた。メモリ脱着のためにはシャシーを開けなくてはならず、ラックに入れたままの作業ができないので、動かなかった時に手をつけようと思ってそのまま忘れていたのだった。

1本ずつ検証するのも面倒なので、全部のメモリをはずしてB1スロットに128MB1本だけを付けて起動する。
無事起動に成功! 495MHzでも大丈夫だ。
結局G3の時と同様、出品者のアドバイスがなくてはまともに起動もさせられないという情けない結果となった。 ほっとすると同時に、昨夜の無駄な時間と労力は何だったのかと後悔する。


無事起動することができたので、ようやくベンチマークテストである。 (1〜2ヶ月前まではベンチマークはあくまで確認用という感じだったのに、いつの間にかベンチマークおたくになりはじめている自分がこわい。)

System Info System
System Info CPU
System Info FPU
G4 473/236がG3 500/250とほぼ同等。G4 495/247はかなり高い数値を出しており上出来。 しかし残念ながら495MHzではかなり不安定で、アプリケーションをいくつも同時に動かすのは難しそうだ。

473MHzではかなり安定しており常用できそう。しかもインターリーブをONにすれば、89MB/secという驚異的なメモリパフォーマンスを見せてくれるので、体感的にはかなりキビキビとした感じがする。PhotoshopなどAltivec対応のアプリケーションを使うことも視野に入れれば、G4 473/236でも十分な性能アップといえるだろう。
Gauge Pro

その後、473MHzでしばらく使ってみたが、Internet ExplorerやOutlook Expressなどのアプリケーションがやたらと不正終了してしまうので、この設定での常用はあきらめてメモリインターリーブOFFで使用することにした。
結果、SystemInfoの評価はほとんど変わらないのだが、メモリパフォーマンスが下がった分だけ88MB/secの時のようなキビキビ感がなくなった。あの爆速感を体験してしまった後ではちょっと寂しい気もするが、その代わりマシンは安定し、常用できるようになった
。メモリパフォーマンスがいかに処理速度に影響を与えていたか、またいかにマシンに無理をさせていたかを改めて感じる。

Gauge Pro

G3 400/200/512kのクロックアップがあまりにも劇的で、CPU温度も非常に安定していたのと比べると、このカードのクロックアップ耐性はごく当たり前の範囲と言わざるを得ない。しかし冷却次第では495MHzで常用できる可能性も残っているし、マシンによっては540MHzでの動作も可能だと聞いている。
コストパフォーマンスは・・・、26000円なら超お買い得だと思う。でも市場価格の51800円は決してお得とは言えないし、同じPowerLogixのG3 500/166/1MBが30800円で、G3 400/133/512kが13800円で出ているので、新品を買うならそちらをおすすめしたい。

【2002.4.1】

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