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十分なHDD容量を確保したところで、いよいよG3化に移る。
気分的にはやはりG4にしたいところだが、いまの使い方ならG3で十分と自分に言い聞かせ、オークションに臨んだ。


出品中のラインナップから、PowerLogix PowerForce G3 400/200/512k に目を付けた。「500/250動作」という括弧書きが目を引く。ディップスイッチでオーバークロックができるモデルなのだ。
G3 500でこの価格なら買いだ、とばかり一気に落札。諸費用を含めて約25,700円ほどかかった。


スムーズな取引を経て送られてきたのは手のひらに収まるほどの小さなカードに、あまり見ることのない円形のヒートシンク。 早速マシンに取り付け、付属のドライバをインストールすると、無事起動した。
PowerLogix G3 カード全体がPCIスロットの長さ分しかなく、独特の形をしたヒートシンクは削り出しではなく鋳物のようだ。
 

PowerLogixのG3カードには8個のディップスイッチがあり、1〜3のスイッチでバスクロックを、4〜7のスイッチで倍率を設定することができる。(このカードではスイッチ8はOFFにしておく。)
いろいろ試したが、どうも様子がおかしい。最初に試したのは 40MHzx10倍の400MHzだが、それ以上バスクロックを上げると起動時にフリーズしてしまう。そんな馬鹿な。

ディップスイッチ  マニュアル(英語)によると、 デフォルトの400MHzは50MHzx8倍のはずなのだが・・・。
スイッチ
123
000
100
010
110
001
101
011
111
4567
40
42.5
45
46.6
50
52.5
55
60
1010
x4
160
170
180
187
200
210
220
240
0111
x4.5
180
191
202
210
225
236
247
270
1011
x5
200
212
225
233
250
262
275
300
1001
x5.5
220
233
247
257
275
288
302
330
1101
x6
240
255
270
280
300
315
330
360
0101
x6.5
260
276
292
303
325
341
357
390
0010
x7
280
297
315
327
350
367
385
420
0001
x7.5
300
318
337
350
375
393
412
450
1100
x8
320
340
360
373
400
420
440
480
0110
x10
400
425
450
467
500
525
550
600

※「0」はスイッチOFF、「1」はスイッチON。

そういえば、確かオークションの説明には「XLR8のドライバを使っています」と書いてあった。
出品者に再度連絡すると、すぐに「XLR8 MACh Speed Control 2.0.2」を送ってくれた。無料だがすでにメーカーのサイトからは削除されている貴重なドライバだ。現在ダウンロード可能なのは有料の2.6.1(2002年2月時点で14.95ドル)しかない。(その後XLR8社は消滅し、このドライバの権利はDaystar社に移
った。無料のv1.4.1〜1.4.3はこちらでダウンロード可能。)

XLR8ドライバをインストールすると、同じ400MHzでもずいぶんきびきびと動作するようになった。42.5MHzx10倍=425MHzでの起動にも成功した。しかしそれ以上はやはりNG。OS8.6以外の機能拡張を全部はずしても同じだ。マシン側に問題があるのだろうか。

ここで、もう一度商品の詳細を見てみようとPowerLogixのホームページを見て、目が点になった。

> 2001年10月30日
> 下の商品のダイレクトショップ価格の変更を行いました。
> ・PowerForce G3 400/200/512K ダイレクトショップ価格¥18,800

新品で18,800円のものを25,700円出して買ったのかぁ?!

いっこうに上がらないクロックと、買値より安い市販価格のダブルパンチに落胆しながら出品者に状況報告をすると、今度は「一度クリーンインストールしてみては」とのアドバイス。
実用機なのですでにインストール済みのアプリケーションもありかなり面倒ではあったが、すぐにチャレンジ。ついでにディスクを初期化してOS8.6を新規インストールすると、今度は467MHzで起動することができた。55MHzx8倍の440MHzにも成功。表示されるCPU温度も15度前後で安定している。

さすが経験に勝るアドバイスはない。ど素人によるはじめての改造には、先輩の声は不可欠だ。高い買い物だったが手に入らないドライバと経験者のアドバイスがもらえたということで納得しよう。 


その後、さらに有料のXLR8 MACh Speed Control 2.6.1 を購入、インストールしたが、50MHzx10倍や60MHzx8倍の起動はできなかった。やはりこれ以上のクロックアップは無理なのだろうか、とほとんどあきらめかけていた時のことだ。
ふとカードを見ると、普通のG3カードとヒートシンクの付き方が違う。基盤ではなく、CPUに"引っかけてある"という感じだ。いじくり回すうちに、ヒートシンクが反時計向きに回転することに気づき、そっと回すと、ネジがゆるんでCPUから簡単にはずれてしまった。ヒートシンクをねじ込んでCPUを圧迫する構造になっていたのだ。

ヒートシンク

ひょっとして、ヒートシンクがゆるんで、CPUと十分に接触していなかったのでは?

ちゃんとした知識もないくせに、何かで読んだ記憶を頼りに、シリコングリスなるものを購入してきた。
CPUに適当に塗って、ヒートシンクをしっかりとねじ込んで、再チャレンジしてみるとどうだろう。 いとも簡単に500MHzで起動するではないか。
Gauge Pro の温度表示はわずか2度。なぜか室温より低い。XLR8のコントローラやSonnetのMetronomeでは、温度が低すぎて測定できない様子。
先輩諸氏のサイトを見ると、30度、40度は当たり前で、中には80度などという数字も目にしていたので、何が何だかよくわからない。まあ動くのだからよしとしよう。

Gauge PROとMetronome


冷却ファン

とりあえず500MHzでの起動に成功はしたものの、当初は使用中に段々と温度が上がり、実用レベルではかなり不安定だった。

その後、OSを9.1に変え、PIONEER MPC-LX100の改造で余ってしまった冷却ファンをG3カードに取り付けてみたところ、非常に安定するようになった。さらに処理能力を高めるため、ライトスルーをOFFにしてみたが問題なさそうだ。
作業中も低音(Gauge Proによると2度)を保てるようになり、現在は500/250での常用が可能となっている。


XLR8 MACh Speed Control XLR8 MaCh Speed Control 2.6.1。
2次キャッシュの倍率やライトスルーのON/OFFなど、かなり自由度の高い細かな設定ができる。
本来は「499.0MHz」の下にCPU温度が表示されるのだが、温度が低いため表示されていない。

PowerLogix G3 400/200/512k ---みなさん、これで18,800円はお買い得です、などと書きつつメーカーのホームページを見ると、いつの間にか通信販売は終了し、代わりに400/133/512kなる商品が13,800円で出ている。
安いけどどんなものなんだろう。2次キャッシュ133MHzというのは何だかさみしい気もするが、ひょっとして500/200ぐらいの性能は秘めているのかもしれない。
試した方はぜひ教えてください。

【2002.2.27】

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