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「HARD
OFF」の看板を見ると、なぜかふらふらと迷い込んでしまう。一度入ると長い時間をかけて、中古のパソコン、AV機器、楽器を眺めて回るのだが、めったに欲しい物がないのと、概ね僕の査定より高めに設定されているのとで、何か物を買うということはほとんどない。それでもつい入ってしまうあたりが、このサイトの管理人たる所以であろう。去年の夏に仕事で美濃加茂市へ行った時にも、通りに見つけたHARD
OFFに吸い寄せられるように入っていった。 |
店長の趣味だろうか、そこにはずいぶんたくさんのMacが並べてあった。これは楽しそうだ。 ショッピングというよりは、まるで展示物を鑑賞するように物色を進めるうち、1台だけやけに安い値札が貼られているマシンを見つけた。 |
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帰宅してフタを開けてみると、メモリは32+64の96MB、HDDとCD-ROMドライブは純正。今まで手術歴がないらしく、中はずいぶんきれいだ。「ATO's
Page」のMacintoshコラムと照合すると、ロジック、ROMともRev.2のようである。起動してみると、案の定「?」マーク付きフロッピーアイコンが登場。ふむ、HDDは逝ってるようだな、と落ち着き払ってOS9.1CDから起動してみる・・・あれれ、また「?」マークだ。 |
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ある日、SONNETのG4/1GHzを目玉にいろんなパーツをまとめ売りしている商品を見つけた。グロス金額は大きいが、他のパーツをすべて売り払えばわずか4万円程度でG4/1Gが手に入る計算だ。 |
箱から出してみると、うわぁデカイ!もともと載っていたG3/233のカード(写真下)と比べると、面積にして3倍以上はありそうだ。カードの裏側にはすぐに折れてしまいそうな細いピンが無数に並んでいる。とてもデリケートな感じで、G2MacのCPUカードのように何度も抜き差しするのはちょっと不安だ。ヒートシンクをはずして基盤を撮影するつもりだったが、それも取りやめ。Mac改造サイトの管理人としては何とも情けないことだが・・・。 |
冷却ファンは、手前が下向き、奥が上向きに風を送るように取り付けられている。シャシーを閉じるとマシン本体のファンがすぐ上になるので、ここへ空気を送り込もうという構造のようである。冷却ファンの電源コードは基盤に直接はんだ付けされているので、ファンを交換するのはちょっと面倒だ。 |
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次にPM7300からRADEON、AEC-6880M、USB/FireWireカード、HDD、DVD-ROMドライブを移植。メモリは64MB×1枚を残して、256MB×2枚を新たに購入。OS9.1を起動し、付属のCDからSonnet
Processor Upgrade 2.0.3をインストールする。 付属のユーティリティMetronomeには、CPUと同速のL2キャッシュが256KB、1/4動作のL3キャッシュが1MBと、スペック通りの数値が表示されている。 ![]() |
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ちなみにGauge
PROはこのCPUに対応していないらしく、表示されるデータの大半がボロボロだった。 CPU温度やL2/L3キャッシュなど、全く表示されない項目はともかく、バスとCPUのスピードが微妙に低く表示されているのが何とも妙な感じだ。 ![]() ![]() |
SONNETのドライバはL2/L3キャッシュの倍率が固定で面白くないので、個人的にあまり好きではない。ひいきのXLR8ドライバは権利譲渡によりまた新たに購入しなくてはならなくなってしまったため、フリーでダウンロードできるPowerLogixのCPU Directorを試してみることにした。起動もOK、キャッシュ有効化もOK。L3キャッシュの設定についてはよくワケがわからないが、いろいろと設定があり楽しそうである。 |
![]() しかし作業をするうち、突然マウスが動かなくなった。フリーズか?と思い再起動しようとすると、急にまたマウスが動き始める。しばらく経つとまたマウスが動かなくなり、10秒ぐらいでまた動くようになる。これが延々繰り返され、とても使い物にならない。 ATO's Pageの雑記帳や掲示板にいただいた報告によると、この症状はPowerLogixやメルコのZIFカードでも発生しており、SONNETのカードだけというわけではないようだ。SONNETのドライバに戻すと症状が出ないことから察するに、CPU Directorのバグではないかという気がするのだが・・・。 |
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ということでCPU Directorをあきらめ、SONNETのドライバに戻してのベンチマークである。「現在のシステム」がG4/1Gで、「DT/233」が純正CPUのままでの計測。ディスクキャッシュは面倒なので自動設定のまま、128Kにはしていない。 |
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こりゃスゴイ。爆速である。・・・というか、これはもはやSystem Infoで計測するレベルではないな。 そもそもOS9.1にここまでのパワーが必要だとは正直思えない。これまで無茶なクロックアップをしたマシンを使ってきたせいか、アプリケーションがギュンギュン処理をする様子を見ると、いつ固まるかとびくびくしてしまうのだ(そして時々本当に固まる!)。 |
CPUのベンチをとるついでにディスクも計測したのだが、こちらの数値もずいぶん大きく伸びている。あれ?でも、オンボードATAとの比較ならまだしも、どっちもAEC-6880M+IBM IC35LO40AVVA07でこんなに差が出るものなのか? なんだかキツネにつままれた感じである。 |
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CPUが速くなるとディスクのベンチも引っ張られるという話はよく聞くが、いくらなんでもこの伸び具合は極端過ぎる。念のため、ExpressPro-Toolsでベンチをとってみると・・・ |
G4/1G→ |
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G3/233→ |
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![]() だよね(少しがっかり)。ひょっとしたらSystem Infoのディスク評価には、CPUの処理速度も関連しているのではないだろうか。ベンチは所詮ベンチだし、あくまで参考程度にしかならないということだな。まあ、何はともあれ、読み書きとも44MB/sというのはうれしい数値である、 |
すでに僕のメインOSは10.3に移行してしまっているので、OS9.1での検証はここまで。繰り返しになるが、OS9.1ではここまでのスペックは必要ない気がするし、なにしろ爆速=フリーズのトラウマに苛まれている僕には、恐くて恐くてとても常用できない。OS9.1だけで使うのであれば、コストパフォーマンスを考えても、ワンランク下のG4/G3カードで十分ではないだろうか。そしてこのG4カードを載せるのなら、せっかくだからOS
Xにしたいところだ。次のページではOS10.3での検証も紹介しようと思うので、あわせて参考にしていただければ幸いである。 |
ところで、このカードを購入する前には必ずVRMのメーカー名を確認しておく必要があるということは、いったいどのぐらい知られているのだろうか。SONNETさんの案内がどうにも十分ではない気がして仕方がないので、ここで簡単に説明しておこうと思う。 |
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僕がこの情報を知ったのはどこかの掲示板だったと思うが、こんな重要なことがメーカーの製品ページにも製品のパッケージにもマニュアルにも明記されておらず、サポートページまで探しにいかないとわからないというのはどういうことだろうか。僕のDTは幸いFairchild Semiconductor社製だったが、もしRoyal社製で、知らずに取り付けていたらと思うとゾッとする。Macパーツのメインサプライヤーだけに、SONNETさんにはそのあたりもぜひ頑張ってほしいところである。 【2004.5.12】 |
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