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僕がPM7300の改造をはじめて間もなく、3つのPCIスロットはそれぞれATAカード、USBカード、ビデオカードで埋まることになった。以後それぞれのカードは少しずつアップグレードを果たしたが、この構成はずっと変わることなく、DTに移行後もそのまま継承されつづけた。USBカードの代わりにUSB+Firewire+LAN機能を併せ持った"SUGOIカード"を入れてみたこともあったが、さほどメリットを感じなかったためすぐに戻してしまった。TVチューナーカードとか、Gigabitイーサカードとか、無線LANカードとか、他に興味のあるPCIカードもないではなかったのだが、ATA・USB・ビデオは僕のマシンにとっての3種の神器。どれも欠かすわけにはいかなかったのだ。

実をいうと、そんな状況を打破してくれる特別なカードがあることはちゃんと承知していた。ATA133インターフェイスにUSBとFirewire機能をプラスしたSONNET社TEMPOTrioを使えば、PCIスロットをひとつ空けて、他のカードを導入することができるのである。しかしATAカードとUSB&Firewireのコンボカードをそれぞれ買った場合に比べて明らかに高価だったので、僕は例によってなかなか手出しできないでいた。ネットオークションにもめったに登場しないし、たまに出品されても結構な価格になってしまう。

そんな中、僕がついにこのカードに手を出したのは、たまたまネットオークションで見つけたTEMPOTrioに"即決価格"が付けられていたせいだった。いま入札すれば手に入るのか・・・。ハードな仕事が続いたためにストレスと小遣いが蓄積していたせいか、僕はまた考えなしに入札ボタンを押してしまったのだった。世間ではすでにSATAのインプレが報告されているというのに・・・。



・・・・・・デカっ!!!


System Profiler
 


箱から出してまず驚いたのはその大きさだった。3つの機能が搭載されているだけあって、それまで使っていたATAカードとは比べものにならないほどデカイ。CPUカードもそうだったが、スペースを目一杯使うというのがSONNET社のデザインポリシーなのだろうか?

古いATAカードをはずし、TEMPOTrioを差し込む。2台のHDDのケーブルを接続する。CUDAリセットも忘れずに。そしてoption押し起動! ・・・あれ?HappyMacでフリーズしてしちゃったぞ・・・。

よーし、それじゃPRAMクリアだ。そしてoption押し起動!・・・あれ?今度はHappyMacの後、勝手に再起動しちゃうぞ・・・。どうして?(泣)

仕方なくHDDを1台にしてみると、120GXP(IBM:IC35L040AVVA07)ではちゃんと起動するのだが、7K250(日立IBM:HDS722516VLAT80)をつないでの起動がどうにもうまくいかない。しかし7K250は2ヶ月とちょっと前に買ったばかりの期待のホープである。諦めるわけにはいかない。
8MBバッファがダメなのか? 160GB容量がダメなのか? メーカーサイトに最新のv4.5ファームを発見し、アップデートすれば何とかなるかもと思ったのだが、残念ながらカードはすでにv4.5になっていた。単に相性が悪いだけなのだろうか? 僕の環境でTEMPOTrioは使えないというのか?

出品者に問い合わせてみると、ご本人は問題なく使っていたが、同じTEMPOTrioユーザーの知人から"認識させるのに手間がかかる"という話を聞いたことがあるとの返事。ということは、まだ可能性があるのだな。

・・・・・・あっ! !!

ここまで来て、僕はようやく基本中の基本、CD-ROM起動をまだやっていなかったことに気づいた。

あわててOS9.2.1のCDを入れ、Cキー押し起動する。
・・・おー!7K250をつないだままでも起動成功!
そして起動ディスクから7K250上のOS9.1を選択し、再起動!
・・・よーし!7K250からの起動成功!
さらにXPostFactoを起動してOS10.3を選択、Restart!
・・・Pantherの起動も成功!

ホッと胸をなでおろしながら、いったん電源を落として古いUSBカードをはずす。USB機器の移設も問題なく完了した。

無事起動した旨を出品者に報告すると、最初からCD-ROM起動してHDDフォーマットするのがあたりまえだと叱られてしまった。そりゃそうだ。でもバックアップやインストールが面倒だし、いままでATAカードを入れ替えたときにはHDDの付け替えだけで問題なく動いていたので、僕の中ではそれがすっかりあたりまえになっていたのだった。初心忘るべからず。変に経験を重ねて自己流が身に付いてしまうのも善し悪しである。



システムプロファイルは上の通り。正直見てもよくわからないのだが、A1スロットをやたらたくさんのバスが共有していることだけはわかる。

次にATAを開くと、なぜかHDDが表示されていない。ATAバスとしては認識されているようなのだが・・・。 もう一度メーカーサイトを確認してみると、v4.0ファームの一番下に説明があった。

"確認されているドライブに関する問題: OS XのAppleシステム・プロフィールではドライブのボリュームが表示されません。"

あ、仕様・・・というかバグなのね・・・。
ま、ディスクユーティリティでは表示されるので実用上問題はないし、SCSIバスとしてしか認識されなかったACARDよりはマシだということにしておこう。Finderのツールバー上でATAカード経由のHDDボリュームについていたイジェクトボタンも出なくなったことだし。

 

久しぶりに冷や汗もののパーツ導入だったが、TEMPOTrioがすんなり動かなかったおかげで、オークション取引は意外な方向へ展開していった。状況報告や質問を繰り返すうちに、出品者がかなり強烈なポリタンク愛好家であり、Macイジラーであることが判明。しかもこの方、なんと以前から当サイトをお気に入りに登録しているOld Friendsのお客様だったのである。

ちひろさんとおっしゃるこの女性は、合計10台ものG4・青白を所有するポリタンクいじりの達人で、現在はG4 DAの熱対策のため、ブロアファンを取り付けるダクトと電源の遮熱板をアルミで制作中とのこと。ご本人は「達人なんてとんでもない!」とおっしゃるが、パーツの増設だけでなく筐体デザインをオリジナルに加工するなど、僕には真似のできないジャンルにも手をのばしておられるツワモノである。次の改造マシンができあがったら写真を送っていただけることになっているが、影響されてG4タワーに移行したり、筐体加工に手を染めるという展開にならないようくれぐれも注意しなくては(笑)

考えてみれば、改造パーツのオークションに参加している者同士、今回ほどではないにしろ、ある程度趣味が合うのはあたりまえである。これまでの取引でも気軽に僕の方から話しかけていれば、もっとたくさんの方と交流できたのかもしれない。ネットオークションが一般に浸透するにつれ、詐欺や違法出品の横行が問題化している昨今ではあるが、見知らぬ相手との出会いはやはり面白い。悪意の利用者に負けず、今後もより安くて安全で楽しいオークションサイトの存続を願うばかりである。


その後、PantherとOS9の間を往き来するうちに、いったん動作した後もPRAMクリアすると7K250の認識がおかしくなることが判明した。PCIブリッジを介した独自の設計によるものだろうか?僕は結構PRAMクリアを多用する方なので、そのたびにCD-ROM起動して、起動ディスク選び直してというのは少々面倒ではある。このカードと仲良くなるにはもう少し時間がかかりそうだな。詳しい検証はもうちょっと慣れてからということで。

目下の課題は空いたPCIスロットに何を追加するかである。あれもいいなー、これもいいなー、どうしようかなー。たったひとつの貴重なスロット、慌てずじっくりと考えなくては。さんざん考えたあげくに、やっぱり何もいらなかったという結論だけは避けたいものである(笑)

【2005.2.4】

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