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TEMPOTrioの導入により、手元にあるATAカードはACARDのAEC-6880M6280M、SONNETのTEMPOATA100TEMPOULTRAATA66AEC-6260MのOEM)とあわせて5枚になった。実は本当に必要なのはDTとPM7300用の2枚だけなのだが、どれを処分しようかと悩んでいるうちに1枚また1枚と増えてしまい、いつの間にかこのような事態になってしまったのである。 各カードの中古相場は日に日に下降するばかりで、後生大事に保管しておいたところで何ひとつメリットはない。AEC-6880MとTEMPOTrioを入れ替えたこの機会に、さっさと不要なカードを手放して、次のPCIカード購入の資金にすることにしよう。

しかし、これだけそろったATAカードである。手放す前に比較をしておかない手はないだろう。昨年10月に購入した7K250(日立IBM:HDS722516VLAT80:8MBキャッシュ)についてまだちゃんとレポートしていないこともあったので、ここで一気にHDD周りの検証をやっつけてしまうことにした。


今回の検証では、現行品であるTEMPOTrioとAEC-6880M、6280M、そしてオークションなどで手に入りやすい6260M(TEMPOULTRAATA66)の4枚のカードを比較。TEMPOATA100については、現行品でない上に中古で入手できる機会が少ないこと、そして何よりPM7300からはずすのが面倒くさいという理由で却下することにした。

マシン環境は、DT233+SONNETCRESCENDO/ZIFG41000MHz/1Mにメモリ768MB、RADEONMACEDITION。それぞれのカードに7K250と120GXP(IBM:IC35L040AVVA07:2MBキャッシュ)を接続して、ATTOExpressPro-Toolsによるベンチマークを測定していく。カード挿して、HDDつないで、OS9起動して、ベンチとって、キャプチャして、システム終了して、HDD抜いて、次のカード挿して、HDDつないで、OS9起動して、ベンチとって・・・
結構手間だな。

まずはPM7300の改造ページでもベンチを紹介しているAEC-6280Mから・・・

■AEC-6280M+7K250

■AEC-6280M+120GXP


キャッシュの差が見事に表れている感じ。大きなファイルを読み込む時には結構な違いが出てくるのではないだろうか。G2Mac+6280Mのベンチでは40MB/s前後で頭打ちになってるようだが、DTではかなり数値が上がっている。

お次はTEMPOTrioを入れるまで使っていた6880M。

■AEC-6880M+7K250

■AEC-6880M+120GXP


6280Mとほとんど同じ。誤差の範囲である。ストライピングやミラーリング機能をぜんぜん活用していない僕のようなフトドキ者には、6880Mを使う意味はないらしい。ATAPI機器に対応していないので、むしろデメリットの方が大きいぐらいだ。このカードを紹介するなら、本来はストライピングのベンチを掲載するのが筋だが、今回はTEMPOTrioの検証がメインということで省略。ご容赦を。

次にG2Macでは書き込み15MB/sで頭打ちだった6260M。
■AEC-6260M(TEMPOULTRAATA66+7K250

■AEC-6260M(TEMPOULTRAATA66+120GXP


びっくり!Sust'dRead&Writeでは上の2つと全く遜色のない数値を叩き出しているではないか!特に7K250では、6260Mが本来持っている66MB/sという性能を目一杯使い切っている感じだ。ネットオークションで激安化している6260Mと価格がこなれてきた8MBキャッシュHDDとの組み合わせは、意外にコストパフォーマンスが高いかもしれない。(ただし6260MはBig Driveに対応していないため、HDDが137GB以上になると認識できないようだ。要注意!)

そしていよいよTEMPOTrio。ACARD以外のATAカードのベンチを紹介するのは初めてだ。
■TempoTrio+7K250

■TempoTrio+120GXP


あれ?なんだこりゃ?6260Mより低いぞ?めちゃくちゃ安定したグラフではあるが・・・。特に書き込みの頭打ち具合がひどいな。がっかりを通り越して笑えるほどである。

表にまとめてみると・・・
■7K250
機種
Peak Read
Sust'd Read
Peak Write
Sust'd Write
TempoTrio
61.90
56.78
39.94
39.62
AEC-6880M
93.90
56.58
67.99
53.03
AEC-6280M
87.27
56.60
68.12
54.11
AEC-6260M
64.44
56.58
60.48
54.68
■120GXP
機種
Peak Read
Sust'd Read
Peak Write
Sust'd Write
TempoTrio
62.06
45.38
40.71
40.58
AEC-6880M
86.66
44.58
63.48
45.29
AEC-6280M
90.14
44.89
62.77
45.24
AEC-6260M
64.47
45.02
58.37
44.91

うむーーーーーーーーーーーー。

こうなったらPantherでのパフォーマンスに期待をかけるしかあるまい。XbenchでTEMPOTrioとAEC-6880Mにおける7K250のベンチを測定してみる。

■TEMPO Trio
■AEC-6880M


お!Sequentialではかなり負けているが、Randomではわずかに優勢ではないか!

全体では6880Mより10%ほど低くなっているものの、ATTOのベンチほどひどい結果ではないようである。PantherだとOS9の場合ほど差が出ないということなのだろうか?


ATTOとXbench以外に適当なベンチソフトを知らないので、ベンチ比較はここで断念。実際にファイルをコピーして時間を測ってみることにした。

ATAカードのIDE1コネクタに7K250を、IDE2コネクタに120GXPを接続。TEMPOTrioとAEC-6880Mについて、同じディスク内へのコピー、他のディスクへのコピーにかかった時間をそれぞれ測定する。いろんなファイルがごちゃごちゃと入った314.1MB(546項目)のフォルダと、これを圧縮した286.7MBのディスクイメージファイルを使って、まずはPantherでテスト。

■OS10.3.7:単一ファイル(286.7MB)   ■OS10.3.7:546項目フォルダ(314.1MB)
コピー元→コピー先
TEMPO Trio
AEC-6880M
7K250→7K250
17秒
17秒
120GXP→120GXP
21秒
20秒
7K250→120GXP

13秒

9秒

120GXP→7K250

13秒
9秒
 
コピー元→コピー先
TEMPO Trio
AEC-6880M
7K250→7K250
26秒
25秒
120GXP→120GXP
31秒
30秒
7K250→120GXP

15秒

11秒

120GXP→7K250

15秒
12秒


同じHDD内でのコピーでは、単一ファイル、546項目フォルダともほとんど差が出なかった。通常は7K250だけを使っているので、TEMPOTrioに換えたことで極端にパフォーマンスが悪くなるわけではなさそうだ。ただし7K250→120GXP、120GXP→7K250のコピー作業は、明らかに6880Mの方が速い。7K250から120GXPにデータをバックアップしたり、逆に書き戻したりする場合は、かなり影響が出そうだ。

カード比較とは別の話だが、別コネクタに接続したHDDへのコピーが、同じHDD内でのコピーと比べてこんなに速いとは知らなかったので、ちょっとびっくりした。

次にOS9.1でテスト。

OS9.1:単一ファイル(286.7MB)   ■OS9.1:546項目フォルダ(314.1MB)
コピー元→コピー先
TEMPO Trio
AEC-6880M
7K250→7K250
18秒
18秒
120GXP→120GXP
21秒
20秒
7K250→120GXP

22秒

17秒

120GXP→7K250

22秒
17秒
 
コピー元→コピー先
TEMPO Trio
AEC-6880M
7K250→7K250
25秒
22秒
120GXP→120GXP
27秒
24秒
7K250→120GXP

32秒

25秒

120GXP→7K250

32秒
26秒


あれー?こちらは6880M圧勝かと思いきや、Pantherとほとんど同じ傾向だ。同じHDD内では大した差が出ない。いったいどうなってるんだろう? ま、喜ぶべき結果ではあるのだけど・・・気持ち悪いな。


ということでTEMPOTrioの検証は、ATTOベンチではACARDに対して惨敗だったものの、Xbench&コピーテストではかなり食い下がったという、わかったようなわからないような結果であった。いずれにしても負けは負け、性能重視なら移行はあり得ないところだが、これぐらいの違いならスロットがひとつ空くメリットを優先してもよいのではないかと思う。

まとめ(あくまで僕の環境での)

1. TEMPOTrioのATA性能は大したことはないが、まあ何とか許せる程度の性能ではある。
2. DTにおいては、AEC-6260Mのコストパフォーマンスがとても高い。
3. 同じHDD内のコピーより、別のコネクタに接続したHDDへのコピーの方が速い。


今更な検証に、今更な結果。でもいいのだ。TEMPOTrioは何とか使えそうだし、これでようやく余分なATAカードを何枚か処分することができるのだから。

【2005.2.15】

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