VoodooからRage Orionに移行してから、このカードがどうも気に入っていなかった。性能がVoodooより圧倒的に劣るという点は実用的に大きな問題ではなかったが、画質が気に入らなかったのだ。とはいえ、PM7300に使えるビデオカードは選択肢が異常に少なく、OS XやDVD Playerに対応した上級機種はATIのRADEON MAC EDITIONぐらいしかない（Nexus、Xclaim VR128は同じRage128シリーズ）。このカードは3月に販売中止になって以来、G2Mac用の最高機種として人気を博しており、オークションで3万円以上の値段がつくこともめずらしくなかった。新品はすでに入手不可能。"安くなるまで我慢"ということにして、そのタイミングを待っていた。

相変わらず高値が続く中、RADEON付きのPM9500が出品されているのを見つけた。RADEONの他にメルコのHG4-PM350、4GのSCSI HDD、FPM DIMM 128MB×2本が増設されていて、ずいぶんお値打ちになっている。電卓をたたいて購入後に各パーツを売り払った場合のシミュレーションをしてみたら、RADEONの価格は1万円にもならない。ちょうどATAカードとHDDを替えてから7300の調子が悪かったこともあって、9500を検証用に欲しいという気持ちもあった。そんなわけで、Rage Orion購入からわずか2ヶ月後、通算5枚目のビデオカードを購入することになった。

早速Rage Orionと比べてみようと思ったのだが、PM9500にはRADEONの他に標準搭載のXclaim GAもついていたので、いま僕の手元にあるビデオカードはRADEON、Rage Orion、Voodoo4 4500、Voodoo3 3000、Xclaim GAと5枚になってしまった（Voodoo3 2000は処分済み）。かなり偏っているものの、ちょっとしたビデオカードコレクター状態だ。せっかくなので手元にあるうちにひとりチキチキベンチマークレース（© Mobyさん）を実施してみることにした。

まずは256色設定から。解像度は1152×870、CPUはG4 473/236MHz。Mach64とあるのがXclaim GA。

RADEONがVoodoo3に勝てないというのは聞いていたが、あまりの差に愕然とする。Voodoo4はRADEONの2倍、Voodoo3はRage Orionの2倍で、Voodoo4のDrawPictureは他の50倍以上である。スクロールだけはかろうじてRADEONがトップ。Xclaim GAが意外に頑張っていて、思ったほどはRage Orionとの差がない。

次に1670万色でのベンチ。 Xclaim GAは1152×870でフルカラー表示ができないのでリタイヤ。

ベンチ以外に重要な要素として画質があるが、RADEONはRage Orionより濃厚な色合いで、結構気に入っている。
でもこうして比べてみると、どうしてもVoodoo4が捨てがたい。DVDデコードに関してはVideoLanという手があるので、あとはVoodoo4がOS Xで動きさえすれば･･･というところだが、いまのところ可能性は薄く、DVDとOS XのためにはATI必至という状況。Voodoo4登場時の記事などを読むと、OS Xに対応予定なんて書いてあったのにな･･･。
ここで比較していないRADEON7000はG2MacではOS Xに非対応だったが、OS10.15からは動くようになったので、Rage Orionを買うよりはそちらを選んだ方がよいようにも思う。とはいえOS X＆DVD対応ビデオカードの中でRage Orionが一番安いのは確かだし、あまりけなすのもよくないかな。どうせRage Orionを選ぶなら、ファンレスによる静音性をメリットと考えて納得する手もありかもしれない。

【2002.8.1】