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オリオスペックでAEC-6280Mが9800円で売られているのを見つけた。ATA133カードは14000円前後するということもあってATA66(6260M)を使っていたのだが、バルク品とはいえ1万円を切る価格に心惹かれる。6260Mと比べて劇的な速度アップが望めるとは思えなかったが、ひょっとしたら動作が安定するかもしれないという淡い期待とともにとりあえず購入してみた。6260Mはオークションで7000円前後で売れるはずだから、出費としてはわずかなものだ。新品を扱うショップにとってオークションは敵のように見えるが、逆にショップでの買い換えを促進する機能もあるらしい。

6280M
AEC-6280M(バルク品)。
  6260Mより基盤の背が低い。
6260M
こちらが6260M(リテール品)。
色については撮影条件が違うので、あくまで参考ということで。

特に変化がなければそれはそれでいいや、ぐらいに思っていたのだが、実はこれが変化がないどころか、かえって面倒な事態を招くことになってしまった。6260Mと差し替えてケーブルをつなぎ直すと、HDDは無事認識し、起動もできる。しかしどうもおかしい。作業の途中で画面の右上に、アラートが頻発するのだ。

アラート

いままで見たことのないアラートである。驚いてファイルを確認し、Disk Fast Aidでディスクを検証するが、何も問題は見つからない。しばらく使ってみると、およそ下記のような場合にアラートが登場するらしいことがわかった。
■Outlook Expressでメールをダウンロードしたとき。
■Internet Explorerでデータをダウンロードしたとき。
■別のHDDと大量データコピーのやりとりをするとき。
■ソフトをインストールするとき。

大量データコピーやインストールの際は実際にエラーが起きて作業が途中で終了してしまうこともある。SCSIのHDDから起動したときは、これらの症状は起こらないようだ。うーん、困った。


で、Mac使いの友人がいない僕としてはいつものようにインターネットを流浪することになる。あちこちの個人サイトや掲示板でいくつかのヒントが見つかった。
■他にも同じような症状で困っている人がいる。
■ケーブルを交換すると改善されることがある。
■ケーブルをプライマリではなくセカンダリ側(上の写真の左側)につなぐと改善されることがある。
■HDDをマスターではなくスレイブ側につなぐと改善されることがある。
■B's Crewなどのサードパーティ製フォーマッタを使用すると改善される。
■メモリインタリーブはONがいい、OFFがいい、と両方の意見がある。

同じような症状があちこちで見られるということは、カードの不良というよりカード本来の不安定性と考えるべきだろう。すぐに対応できそうなのはケーブル。DVDドライブの接続に使っていた市販の安売りケーブルと交換してみたところ、少しよくなったような? さらにケーブルをセカンダリ側に移し、HDDをスレイブ側につないだところ、とりあえず問題は解消した。
他に手軽にできることといえば、高級ケーブルを試してみるぐらいだろうか。松さんの「SevenColors せぶんからーず」に掲載されているATAケーブルテストによると、ケーブルによってそれなりに違いはあるようだし、スマートケーブルにすれば取り回しが楽になり、通気もよくなるはずなので、やってみる価値はありそうだ。
一番確実そうのなのがB's Crewでフォーマットをし直すことだが、フォーマットし直すのも面倒だし、とりあえず動いているので当分このままかな?

さらに調べてみたら、秋葉館のサイトに「別途サードパーティ製のフォーマッタが必要です」と明記されているのを見つけた。店に確認してみると、やはりOS標準のドライブ設定では不具合が出る可能性が高いらしく、場合によってはHDDが認識されずフォーマットさえできないこともあるそうだ。もちろん動く場合もあるのだが、秋葉館ではB's Crewでのフォーマットを前提に商品説明しているとのこと。オリオさんに再確認したところ、そんなはずはないと言い切られてしまった・・・。まあ、とにかく動いているのでよしとしよう。

さて、ここからがようやく本題の「6280Mは6260Mより速いのか」である。実はすでに6260Mを売り払ってしまったので、6280Mを購入後すぐに比較テストした数値しか残っていない。このときは諸事情によりG4カードをはずしていたので、G3/400によるベンチである。

SystemInfo

SystemInfo

読み出しはほとんど変わらないが、書き込みはかなり速くなっているようだ。全体的なディスク評価は約10%アップ。しかし体感的にはよくわからない。他にベンチソフトがないかと探してみたところ、ATTOのExpressPro-Toolsというソフトを見つけた。6260Mを手放してしまったので比較できないのが残念だが、参考までにExpressPro-Toolsによるベンチも紹介しておこう。「Hal 7600 Macintosh Room」(2004年12月に閉鎖)で紹介されているATA66カード+IBM DTLAのベンチと比べると、読み出し性能はほぼ同じだが、書き込みは倍以上になっている。

ATTO Bench

書き込み性能が大幅アップ。しかしそれが体感できるほどかと訊かれると、よくわからない。ATA133のHDDを使ったらもっと差が出るのだろうか? いやあまり期待はできないだろう。6260Mとの市場価格差は5000円程度だと思うが、何千円も余分に出して得られるのがベンチだけというのもちょっともったいない気がする。ましてやB's Crewまで購入しなくてはならないとなるとたいへんな出費なので、これを人にすすめるわけにはいかないだろう。

そんなわけで、G2MacにATAカードを増設する場合はATA66にしておくのが無難というのが今回の結論。少なくとも僕はATA100にしたことによる具体的なメリットは得られていない(やっぱり気分はいいけどね)。ただ、慌て者の僕はすでに6260Mを売り払ってしまったので、おとなしく6280Mを使っていくしかなくなってしまった。やはりフォーマットし直した方がいいのだろうか? でも、B's Crewはどこにしまってあったっけ? うーん、先が思いやられる。

【2002.7.31】


その後も1〜2週間使うとディスクエラーが起きるという状態で困っていたが、 週に1回程度ディスクウォーリアで最適化してやれば問題なく使用できるという話を聞いた。実際にやってみたところ確かにその通りで、エラーは起きなくなった。少々面倒ではあるが、OS9でAEC-6280Mを使う際の有効な対処法と言えそうだ。現在はセカンダリのスレイブ接続でOS10.2の起動ディスクに使っているが、特に最適化などの必要はなく順調である。

【2003.3.5】


その後もAEC-6280Mでのエラーについての情報は気にしていたのだが、どうやら書き込み速度を下げるというのが有効な手段のようだ。
■ATA33以下の転送速度の低いケーブルにする。
AV Optimizerで転送速度を20MB程度に抑える。

AV Optimizerの方は起動するたびに設定しなくてはいけないので、あまり現実的ではないようである。いずれもテストしたわけではなく効果のほどは定かではないが、前述の方法で解決しない場合は一度試してみるとよいかもしれない。

【2004.6.5】

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