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時代の趨勢はVHSからDVDへと移行しつつあり、VHSで販売されないソフトも増えてきたが、DVDのソフトも持たず、レンタルすることもなかった僕は、MacでDVDを見るなどということはついぞ考えもしなかった。
しかし、突然必要になってしまった。一部で人気沸騰中の「POPEE*the*ぱフォーマー」のDVDをおまけの主題歌CD欲しさに衝動買いしてしまったのだ。
まあ常識的にはテレビにつないで使う普通のDVDプレーヤーを購入するところなのだが、12倍速のCD-ROMに不満もあったことだし、改造もしてみたいし、いっそのこと高速のDVD-ROMドライブに換えてしまおうというのが、今回の主旨である。


まず最初にぶちあたったのはビデオカードの問題だった。
調べてみるまで知らなかったのだが、VoodooにはDVDデコードをサポートする機能がないらしい。しかもPM7300でDVDデコードに使えるのは、ATIのRADEON MAC EDITIONかRage128のシリーズだけらしい。少し前にVoodoo4をあきらめてVoodoo3に戻したばかりなのに、ついにVoodooをあきらめてATIにしなくてはならない。Voodoo愛好家としては結構切ないものがある。
オークションをのぞいてみると、Voodoo3を買った数ヶ月前と比べてずいぶん高値になっている。OS X対応の問題もあって、ATIの人気が高くなっているのだろう。どうしてVoodoo3より遅いカードをこんな値段で・・・と馬鹿馬鹿しく思いながらも、手元のDVDを早く見たいという欲望には勝てず、また実際にVoodooと比べてみたいという好奇心も手伝って、Rage Orionを落札してしまった。

DVD-ROMドライブについては、とにかくDVDが動けばいいというつもりだったのだが、いろいろ見ていくうちにスロットインタイプが欲しくなり、PIONEERのDVD-ROMドライブをやはりオークションで入手。スロットインの製品はいくつか出ていたが、303は高いし103は遅いしということで、ATAPIのDVD16倍速、CD40倍速の105Sを選んだ。これをMacで動かしたという情報を載せたサイトは見つからなかったが、その方がやりがいもある。
ダメならDOS/Vショップにでも売ればいいだろう。


Rage Orionについては、何も問題はない。装着して最新ドライバ「RADEON Driver 1.1.1」をインストールするだけ。RADEON用のドライバのようだが、Rage 128にも対応しているようだ。

DVD-105Sは、AHARD66のセカンダリに接続。オーディオケーブルはコネクタのサイズが合わなかったので、つなぐのをやめようかとも思ったのだが、下の写真のように適当につないでしまった。

DVD-105S
ケーブル接続
↑左側の小さいコネクタが105Sに付属のケーブル、右側の大きいコネクタが標準のケーブル。
"とにかく音が出ればいいや"という感じで、その辺にあった抵抗の足をアダプタ代わりにしてしまった。このあと絶縁テープでぐるぐる巻きにして完成。(たぶん真似しない方がいいと思います。真似する人もいないと思いますが。)

まずはOS 9.1でのDVD鑑賞にチャレンジしてみた。

Apple DVD Player 2.7はPM7300上では動作しないので、パッチを当てなくてはならないのだが、そのためのインストールすらできない。関連のサイトを探してみると「TomeViewer」というソフトでインストーラ内のTomeファイルを解凍しなくてはならないらしい。ソフトは有名な「versiontracker」からダウンロード。解凍してできた6個の機能拡張書類をシステムフォルダに入れる。

肝心のパッチについては、見つけるのにかなり苦労した。どこのサイトを探しても 掲示板を見ても、なぜかほとんどが"すぐに見つかるので検索エンジンで探してください"としか書いていないのだ。(リンク先を紹介するとまずいことでもあるのだろうか?)
とにかく先輩諸氏の指示通りに検索エンジンで探して、この手のパッチが満載の「OPUS DOWNLOAD」というサイトを見つけた。「Apple DVD Player 2.7 patch」をダウンロードし、パッチを当てると、「Apple DVD Player 2.7[k]」というファイルができあがる。

しかしこれでもまだ起動しない。起動しようとすると"ドライバが見つからない"と いうアラートが出て終了してしまう。というわけで今度はドライバに当てるパッチ探しの旅に出る。
そこで見つけたのが「CD/DVD SpeedTools™ 5.7 」。無料のトライアル版があるので、これをダウンロードしてインストールすると、無事アプリケーションが起動した。自宅で初めて見るDVD、しかも楽しみにしていたPOPEE*THE*ぱフォーマーだ。期待以上にスムーズな映像ときれいな音に感心する。特にこの作品は3DCGアニメなので、映画なんかを見るよりはパソコン向きかもしれない
。(まだ見たことがない人にはぜひ一度ご覧いただきたい。)

しかしこのドライバはトライアル版でマシンを10回再起動すると使えなくなってしまう。このまま使い続けるためには39.95ドルの追加予算が必要だが、これは105Sを買った値段と変わらないし、どうも購入する気になれない。

ということで、さらに旅は続く。
今度は Apple CD/DVD Driverにパッチを当てる方法が見つかった。
ResEditで書き換える方法がいくつかあり、いろいろ試してみたが、ディスクを読むことができてもDVD Playerが起動しなかったりとどうもうまくいかない。さんざんインターネットを歩きまわってようやくつかんだ情報は、OS 9.1のドライバではなく、9.0.4のドライバを使わなくてはならないというものだった。

アップルのサイトでOS 9.0.4のアップデータをダウンロード。TomeViewerで「Apple CD/DVD Driver 1.3.5」を取り出し、パッチを当てる。使用した「Apple CD/DVD 1.3.5 patch deluxe」は前述の「OPUS DOWNROAD」からダウンロードした。
CD/DVD SpeedToolsを削除したあと、パッチを当てたドライバを入れて再起動。DVDをスロットに入れると、見事にDVD Playerが起動した。
余計な機能拡張を追加しなくてよいので、コンフリクトの心配もなさそうでいい感じだ。


こうして無事DVDを楽しめるようになったのだが、実はひとつだけ問題があった。各サイトの掲示板に長時間使用するとフリーズするという報告があったので試してみると、やはり10分ほどでフリーズしてしまったのだ。
やはり使い物にならないのか・・・と落ち込みかけたのだが、ふと思いついて2次キャッシュの倍率を236KHzから189MHzに下げてやったら簡単に解決した。きっとソフトデコードはCPUにかなりの負担をかけるのだろう。
CD-ROMによるブートも試してみたが、「C」キーでの起動はできないものの、起動ディスクで設定する分にはOK。実用的に問題なさそうだ。
強制Ejectは穴の位置が合わないが、Ejectボタンは使える。

ビデオカードの購入は余計だったが、それ以外にかかった費用は、結局DVD-105SとATA66のケーブルだけ。合計で6000円ぐらいだ。
CD-ROMの読み込みは40倍速になってとても快適だし、スロットインドライブの見た目や使い勝手もなかなかだし、すでにRADEONかRage128を使っている人で、まだ標準のCD-ROMドライブを使っている人にはぜひおすすめしたい。
もちろん、改造の際は自己責任にて悪しからず。
7300+105S

【2002.5.13】


その後、「Apple DVD Player 2.7 [k]」の割り当てメモリを上げるといいという話を聞いて試してみたところ、2次キャッシュ236MHzのままでもフリーズせずに再生できるようになった。フリーズしてしまう時は、まずは割り当てメモリのアップ、それでもダメなら2次キャッシュダウンを試してみるとよいのではないかと思う。

【2002.6.1】


その後「Apple CD/DVD 1.3.5 patch deluxe」は「OPUS DOWNROAD」からいなくなってしまったようだ。どこかから削除要請でも? 多くのサイトが居場所を特定しない理由はここにあるのかな。 謎は深まるばかり。

【2002.8.8】


少し前に、アップルのTech Info Libraryに「Apple DVD Player: 映像のコマ落ちや途切れを減らす方法 」という内容が掲載された。モニタの色数を1670万色ではなく32000色にすると、CPUやビデオカードへの負荷が減り再生がスムーズになるようだ。試してみたところ確かに全然違う。明らかに動きが滑らかになっている。また仮想メモリは"入"にしておかないといけないらしい。再生時のコマ落ちや音飛び、フリーズなどにお悩みの方はぜひお試しあれ。

【2003.7.20】

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