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DiscBurnerでCDを焼くという作業は、標準でCD-Rドライブを搭載しているマシンではごくあたりまえのことだし、そうでなくてもDiscBurner対応のメジャーなCD-R/RWドライブを購入すれば雑作もないことである。しかし僕が以前から使っていたのは、とにかく焼ければいいという感じで買ったRICHO RW7040SというSCSIのCD-R/RWドライブで、残念ながらDiscBurner対応機種ではなかった。
もちろんToastなどのアプリケーションがあればOSX上で使うこともできるのだが、しょっちゅうCDを焼くわけでもなく、またOS9.1用のMacCDRを持っていたこともあって、わざわざ購入する気にもなれなかった。CDを焼く時はOS9.1を起動という面倒なやり方を、OSXに移行後もずっと続けていたのである。


OS9.1からJaguarへ移行して1年と数ヶ月、さらにPantherを購入して1ヶ月ほど過ぎた頃、「Macおすすめ周辺機器など」の掲示板に気になるスレッドを見つけた。そこには、iTunesのDisc Burnerを非対応のDVD-R/RW、CD-R/RWドライブで使えるようにする方法が紹介されていた。
そろそろDVD-R/RWが気になり、Toastも欲しいななどと思いはじめていた僕にとって、それは実に興味深い話題だった。非対応の周辺機器をファイルを追加することによって無理矢理動かすという怪しい作業。しかもタダ(!)。僕が最もそそられるテイストである。Pantherはまだまだ安定せず、しかも多忙を理由にコラムも休みがちな中ではあったが、さほど時間のかかる作業でもなさそうだし、さっそくトライしてみることにした。

 

掲示板に紹介されていたのは有名サイト「MacBidouille」11月29日の記事であった。Libraryフォルダ内に「DiscRecording」というフォルダを、さらに「DeviceProfiles」というフォルダを作り、その中に「xxxx.drprofile」というテキストファイルを作成するという手順である。「xxxx.drprofile」の「xxxx」はドライブのProduct名、テキストの内容は以下のようなものだった。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple Computer//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<array>
<dict>
<key>DRDevicePersonalities</key>
<array>
<dict>
<key>DRDeviceVendorName</key>
<string>LITE-ON</string>
<key>DRDeviceProductName</key>
<string>DVDRW LDW-811S</string>
</dict>
</array>
<key>DRDeviceProfile</key>
<dict>
<key>DRDeviceDescription</key>
<string>8x4x40x40x12</string>
</dict>
<key>DRDeviceProfileVersion</key>
<integer>1</integer>
</dict>
</array>
</plist>


もちろん、これはLite-OnのLDW-811Sを使う場合である。RICHOのRW7040Sを使うためには、ざっと見たところ3カ所ほど書き換えなくてはならないようだ。MacBidoulleの記事にある説明通り、ターミナルを起動して「drutil info」と入力すると、Product名は「CD-R/RW RW7040S」と表示された。上記の「DVDRW LDW-811S」の部分をこれに書き換える。Vendor名が表示されないが「LITE-ON」の部分はとりあえず「RICHO」としておこうか。「8x4x40x40x12」の部分はどう書き換えればよいのかわからないが、たぶん書き込みと読み込みの速度だろう。えーと「8x4x12」でいいのかな?・・・改めて、このCD-R/RWドライブの読み書き速度は、イマドキのDVD-R/RW程度しかないのだなぁと実感する(笑)。


上記の作業はrootでログインしないとできないのだが、面倒だったので、ユーザーログインのままデスクトップにファイルとフォルダを作って、Libraryに放り込むという方法をとった。Pantherはパスワードを入力するだけでシステム内のファイルやフォルダを出し入れできるので、とてもありがたい。

作業が終わると、いよいよ動作確認である。「Macおすすめ周辺機器など」の掲示板にはすでに多くの方の成功事例が書き込まれているが、G2Macで試した人はいないようだったので、大して期待はできそうにない。そもそもG2Macに無理インストールしたPantherでは、SCSI認識がおぼつかず、システムプロファイラは一切SCSIデバイスを表示してくれない状況である。

RW7040Sは内蔵タイプだが、現在内蔵してあるDVDドライブと入れ替えるのが面倒だったので、外付けのケースを使ってテストすることにした。このケースも古い外付けのSCSI CD-Rからドライブだけ引っこ抜かれたキワモノである。ダメでもともとと思いつつ、半信半疑でiTunesを起動する。環境設定の「作成」を開くと・・・おお!ちゃんとデバイス名が表示されているではないか。でもやっぱりVendor名が表示されず妙なスペースができている。こんなので大丈夫なのか?

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RW7040Sにメディアを挿入。iTunesのプレイリストを選び「ディスクを作成」ボタンを押す。・・・おお!待機状態になったゾ! さらにボタンを押すと書き込みが始まった。うまくいくと思っていなかっただけに、あっけない成功にびっくりである。
MacBidoulleの記事には、さらに「iTunes4allburner.sit」というファイルをダウンロードして、iTunesのパッケージを開き「Contents」フォルダ内の「MacOS」フォルダにある「iTunes」ファイルと入れ替えるという記述もあったのだが、僕の環境ではなぜかその作業をすることなく動いた。これが何のためのファイルなのかはよくわからない。

調子に乗ってiPhotoの「ディスクを作成」ボタンも試してみたが、こちらも問題なく動作し「iPhoto Disc」なるCDができあがった。ディスクユーティリティでは、HFS拡張フォーマットのデータCDを焼くことができた。焼く前にイメージファイルを作っておかなくてはならないこと、追記ができないこと、Windows互換のフォーマットができないことなど、不便な点も多々あるが、Mac用のデータをバックアップする程度なら十分に使える。何しろタダである。


G2Macに無理インストールしたPantherのDiscBurnerが、SCSIの非対応CD-R/RWドライブで動く。なんと楽しいことだろうか。こういうテクニックがいったいどういう経緯を経てあみ出されるのかはわからないが、考えた人には本当に感心するばかりである。僕のような半端者がMacいじりを堪能できるのは、まさにそういう方々のおかげだということを改めて実感し、微力ながらこのページを使って情報伝播に努める次第である。謝謝!

【2004.2.13】

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