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2003年10月、第3世代のOSX「Panther」が発売された。我が愛機PM7300は、前年にJaguarが発表された時点ですでにアップル社に見捨てられており、言うまでもなく対応外である。しかし我々には心強い味方がいた。G2Macの神とも言うべきRyan氏は、もう一度希望の光を与えてくれたのである。

非対応マシン用のOSXインストールソフト「XPostFacto」のPanther対応版のリリースにはかなりの時間がかかっていた。あちこちでJaguarより格段に動作が軽いという評判を聞いてしまった僕は、Ryan氏の「もうすぐ対応できる」とうい言葉を聞くや否や待ちきれずにPantherを購入し、今か今かとその日を待ちかねていた。しかし待てど暮らせどいっこうにダウンロードページは更新されない。Panther対応のα版「XPostFacto 3.0a6」がアップされたのは、Panther発売から23日間が経った後のことだった。
待ってましたとばかり、僕はすぐにインストールを試みたものの、あえなく玉砕。インストールCDを起動することすらできない。メルコのG4カードに対応しきれていないのだろうか。SonnetのG4カードを使用している方々の喜びの声を聞き、そういえばJaguarの時もClassic起動ができないという不具合があったことを思い出しながら、次のバージョンが発表されるのを待った。

翌日すぐにv3.0a7がリリースされたが、これもダメ。またすぐにv3.0a8が登場。半ばあきらめながら試してみたところ、今度は無事インストールCDからの起動〜インストールに成功した。


XPostFacto3.0a8によるインストール作業は、Jaguarをインストールした時と大した違いはない。特に紹介する必要はない気もするが、このページがないとどうにもコンテンツ全体の流れが悪いので、簡単に紹介しておこうと思う。

改めてインストール時の環境を紹介しておくと、マシンはMelco HG4N-PM550改576を載せたPM7300。AEC-6880M(6280Mのファームに書き換え)に接続したPIONEER DVD-105SからIBM IC35L040AVVA07の先頭8GBへのインストールである。ビデオカードは無印RADEON、メモリは512MBという構成。XPostFactoの設定は下記の通り。本当はCPUの2次/3次キャッシュを有効にすることができるようになっているのだが、これをONにすると全く起動できないのでノーチェック。左側にたくさん選択肢があるが、よくわからないのでこれらもすべてノーチェックで行った。




CPUの2次キャッシュ認識には「Enabel L2/L3 Cache」というオプションが設定され、L2CacheConfigを使う必要がなくなった。しかし何度試してみても、これをONにすると起動途中で止まってしまう。僕の環境とは合わないようだ。結局これまでと同様、L2CacheConfigを使うことにした。さらに残念なことに、Jaguarの時は2次キャッシュがCPUの1/2.5倍設定で動いたのが、1/4倍動作でしか動かなくなってしまった。このあたりはかなりシビアになっているようだ。2次キャッシュの動作クロックは下げざるを得なくなったものの、体感的には噂通りになかなかキビキビした印象である。うん、なかなかいいじゃんないかな。


しかしα版の無理インストールだけあって、どうにも安定しない。インストール時にはずしていたバックアップ用のSDAT HDDを再度設置したのだが、ある日突然このディスクが認識されなくなってしまったのだ。その後は認識されたり、またすぐに認識されなくなったりの繰り返し。OS9.1に戻ればちゃんと認識されるし、ディスクウォーリアで検証してもHDD側の問題ではなさそうである。さらには起動時にカーネルパニックも起こるようになった。XPostFactoはその後もバージョンアップしていくが、いっこうに解決する気配はない。むしろv3.0a10、v3.0a11とバージョンアップするごとにひどくなっていくようにも思えた。

しばらくの間途方に暮れていたのだが、XPostFactoのVerboseモードをONにして、起動時のテキスト表示を読んでいたらあることに気づいた。どうも「PatchedIOSCSICDDrive.kext」と「PatchedSCSIDeviceType05.kext」を読み込むところで引っかかっているようなのだ。試しにこの2つのドライバをゴミ箱に捨ててみると、なんと不具合が解消した。何のためのドライバなのかはわからないが、僕の環境にはなくても問題なさそうである。

しかし、これは根本的な解決にはならなかった。いったんOS9.1を起動した後はXPostFactoを使ってPantherに戻るのだが、そのたびに「PatchedIOSCSICDDrive.kext」と「PatchedSCSIDeviceType05.kext」がインストールされてしまうのだ。なんとかこれらのドライバをインストールせずにXPostFactoを使う方法はないものだろうか・・・。ある日、ふとXPostFacto 3.0a9のパッケージを開いてみると、Contents/ResourcesにResEditのアイコンを見つけた。



ひょっとしてこれは!・・・ワクワクしながら「SharedResources.rsrc」をResEditで開く。。

 

hfsAを開き、ID132の「メPatchedIOSCSICDDriveモ」とID134の「メPatchedSCSIDeviceType05モ」を選択してDelete、保存する。パッチを当てたXPostFacto 3.0a9からPantherを起動してみたところ、「PatchedIOSCSICDDrive.kext」と「PatchedSCSIDeviceType05.kext」はインストールされず、Pantherの起動が始まった。おおっ、すばらしい!


以降は大きなトラブルに見舞われることなくPantherを常用しているが、内蔵SCSIの認識については完全に解決されておらず、システムプロファイラでは、SCSI接続のデバイスが全く認識されない。

またFinder上ではSCSI、ATA接続ともリムーバブルデバイスとなってしまい、うっかりイジェクトマークを押すと、HDDがアンマウントされてしまう。かなりやっかいである。

さすがのRyan氏も今回はかなりハードルが高いようで、XPostFacto 3は正式版どころかβ版さえもまだリリースされていない。とはいえ、何とかPanther化を果たすことができ、氏には心から感謝している。何しろPM7300にもともと載っていたのは漢字Talk7.5である。それがいまだに現役で、最新のOS10.3を載せて動いているというのは、パソコンの進化を考えると、とてつもなくすごいことではないだろうか。

【2004.2.9】


その後発売されたXPostFacto 3.0a12でようやく起動が安定するようになった。v3.0a13以降はSCSIデバイスが認識されない問題も解決され、ResEditによるパッチあてなどは不要となった。現在の最新バージョンはv3.0a14である。相変わらずシステムプロファイラではSCSIデバイスが認識されないものの、Finderでイジェクトボタンが出る問題も解決され、やっと安心して使えるレベルに達した印象である。まだ起動のみでインストールテストは行っていないが、β版、正式版になるのもまもなくではないかと期待している。

【2004.3.8】

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